2010年7月28日水曜日

1ヶ月

気づけば早いもので,トリノで生活し始めてからはや1ヶ月が経ちました.
アメリカで生活をされていたある先生からは「1ヶ月経つと帰りたくなるよ」と
出国前に脅されていましたが,幸いにもまだ帰国衝動には駆られていません.

いまだに日本人の知り合いはひとりもいませんが,
逆に頼ろうとする気持ちが起こらないので,良いことなのかもしれません.

食事もあまりこだわりがないせいか,パスタを茹でたり,冷凍食品で済ませたり
日本に居るときと何ら変わらない食生活を送っています(ほぼ毎日自炊です).

買い物もスーパーやタバッキでできるようになり,
挨拶もそこそこに簡単な数字なら聞き取れるようにもなりました.
ゴミもきちんと分別し,洗濯もやれています.
やはり,ひとり暮らし歴10年はダテじゃないです(笑).

休みの日は散歩をしたり,フラフラと買い物をしたりして過ごしています.
(写真は,ご近所にあるトリノのドゥオーモ.有名な聖骸布が納められています)



次の段階は市場で買い物をすることでしょうか.
手間のかかる料理をしないので,野菜や肉はいりませんが
おいしそうなチーズやサラミが並んでいるので近々挑戦してみたいと思います.

明日から5日間,バカンスに誘われたのでサルデーニャに行ってきます.
海で泳いだり,バーベキューをしたりするそうなので,いまから楽しみです.

2010年7月26日月曜日

ロックアウト

トリノ大学は24時間365日出入りできるJAISTとは異なり,
平日は9時から22時までで,日曜日は完全に閉鎖されています.
土曜日も開いているのですが,土曜日にはあまり人がいないと聞いていたので,
これまで土曜日に大学に行ったことが一度もありませんでした.
ですが,この度初めて土曜日に大学に行って事件が起こりました.

話に聞いていた通り,学内は閑散としていて学生の姿はなし.
教員の部屋もいつもよりは静かで,同室の女性も今日はいません.
これはいつになく良い環境だと思って仕事をしていた矢先,
突然イタリア語の館内放送が流れ始めました.
こんなことは初めてでビックリしましたが,
誰かを呼び出しているのだろうと思って無視していました.
3度ほどその放送が流れてからしばらく経ち,印刷物を取りに行こうと自室から出ると,
あろうことか外の部屋が真っ暗.驚いて廊下に出ると人が誰ひとりいません.

まさかさっきの放送は閉校のお知らせ?でもまだ時刻は15時です.
慌てて帰宅準備をして裏門の方から出ようとしたら,
入口のシャッターが閉まっていて出られない.
やっぱり閉校時間だったのか.正門の方へ廻るとドアの鍵が開いていたので
建物からは出られてひと安心...と思ったら,目の前の門が閉まってる!!
元来た道を引き返して建物の中に入ろうとしたら,今度は建物の鍵が閉まってる.





今日のトリノは30℃越え.さて,この炎天下の中どのようにして助けを呼ぼうか.
警備の人も帰ったらしく,呼び出しのブザーも見当たらない.
門くらい飛び越えてやろうと思ったのですが,
一番上の部分に鋭い槍みたいなものが付いているので
万が一踏み外したら刺さって大けがをする可能性があります.
あっ!そうだ,Matteoに電話しよう...二度鳴らしても応答無し.
なぜか門の中にいるのに出られないという逆締め出し状態.

こうなったらと山で鍛えた勘を頼りに出られるところがないか探すしかありません.
ですが,怖ろしいまでにどこも高い門が張り巡らされていて,出られる箇所がない.
干上がりそうになっていたとき,大学で工事している箇所を思い出し,
そこの方へ回り込むと,工事車両が出入りする小さな入口を見つけました.
た,た,たすかったー!!
工事してなかったら月曜日まで出られなかったかもしれません.

帰宅後にMatteoから連絡があり,ことの顛末を話すと,
夏休み期間で閉校時間が変更されているのもしれないとこと.
チェックしてなかったと謝られましたが,私も放送を無視してしまったので...
JAISTに慣れてしまったせいか,電車通学や下校時間など,
普通の大学で普通のことに戸惑いを感じてしまう今日この頃です.

2010年7月22日木曜日

ショートトーク

受入研究者であるTerna先生のところにも日本でいうところのゼミみたいなものが存在します.
ミーティングと呼ばれるもので,月に1回開催されていて,学生が進捗を話したりするようです.

今回,私も自己紹介と最近の研究活動についてショートトークをして欲しいと言われたので
このミーティングに参加することになりました.参加者は主に学生ばかり(一部ポスドクも).
ミーティングは英語で行われていました.ほとんどの学生が流暢な英語を話します.
最初にある学生が進捗について1時間ほどプレゼンをしたのですが,
学生からの質問はまったくなし.最後にTerna先生がコメント述べるだけで
あまり議論が活発な印象は受けませんでした.



その後に私がプレゼンをしたのですが,こちらも質問なし.
私の英語に難ありな部分もあったとは思いますが,少し残念な出だしです.
それでも学生さんたちに貨幣意識アンケートをやってもらって,
皆さんから回答をいただきました.イタリア語版を見せたら一同が驚いていました.
自己紹介のときに少しイタリア語で話したときにもオォーという声が上がってました(笑).

それから,学生さんたちからこの後飲みに行かないかと誘われたので,もちろん快諾.
自宅から近い場所に19時に待ち合わせということで,少し早めにその場所に向かいました.
しかし,約束の時間を30分超えても彼らが現れない.電話をすると「すぐに行くから」との返答.
待ちぼうけを食らっていると,Lauraが通り過ぎて「Shigeto,こんなところでなにしてるのー?」.
異国の街で知り合いに偶然会うようになるなんて,何か不思議な感覚です.



そのうちポツポツと雨まで降ってきたので,一度自宅に引き返しました.
むむぅー,約束の時間と場所を間違えたのか...と思っていた矢先,
学生さんから電話,「いま着いた,どこにいるんだい?」.ただいまの時刻は20時15分.

慌てて約束の場所に戻ると,いましたよ学生さんたちが.しかも10人以上もいる.
聞けばイタリアでは時間にルーズなのは日常茶飯事だという.
ここでは律儀な日本人の性格を出すと損をするというわけです.
お詫びということですべておごってもらいましたが,これからは時間の約束には要注意です.





お酒を飲みながらワイワイと話をするのは,どこの国の学生も同じです.
私以外,ほぼ院生さんたちだったようで,私がポスドクだというと,
「お金払うからプロポーザル書いてー」という学生も.院生が持つ悩みも同じのようです.

歳のせいか,若者たちのノリを共有するのは大変でしたが,初体験ということもあって
なかなか楽しい時間を過ごさせてもらいました.何人かに電話番号を教えてもらったので,
またこういう機会をもてたらと思います.ちなみに研究の話は一切していませんでした(笑).

聞けばこのミーティング終わりでみんな長いバカンスに入るようです.
だいたい1ヶ月はどこか別の土地へ行くか,地元に帰省したりするようです.
8月は大学も閑散としそうなので,ひとり静かにせっせと研究したいと思います.

2010年7月19日月曜日

ショーペロ

自宅でのネットがすこぶる快調であるとお伝えしましたが,
どうも通信容量が1ヶ月で10Gを超えると通信制限がかけられるみたいで,
現在のところ超低速でのネットライフを余儀なくされています.
よくよく説明書を見返したら小さなイタリア語でコソっとそのことが書いてありました.

サイトの読み込みがすごく遅く,動画の閲覧はもはや絶望的です.
ですが,メールとスカイプでのやり取りはかろうじてできるので,
何とか外界とも遮断されずに生活することはできそうです.
来月からは通信容量を節約して効率的に使いたいと思います.

このようにイタリアに慣れていない外国人には気づきにくいことがままあります.
先日も大学に行くために停留所でトラムを待っていたのですが,
待てどくらせどトラムが一向にやって来ません.
いつもは10分に一本の割合で走っているのですが,
30分経ってもトラムが一向に現れません.
隣にいたおじいさんに「なぜ来ないんだ」とイタリア語で話しかけられましたが,
むしろ私のほうが聞きたいくらいです.



かろうじてバスが一本来たので,それで大学へと向かいましたが,
バスの中はギュウギュウに混雑していました.
なぜトラムやバスがまったく走っていなかったのか解せなかったので
Matteoにそのことを聞いたら,「今日はストライキだ」という.
聞けば全国的に公共交通機関がストライキの日らしく,さほど珍しくもないという.
ストライキはイタリア語でショーペロ(sciopero)というらしく,
きちんとウェブサイトでも何時から何時までショーペロだと書いてあるそうです.

この日は24時間スト中で,12時~15時までは一時的に再開していたらしいのですが,
ショーペロだと気がついたのが16時.ああ,どうやって帰ればいいのか...
今日は大学に宿泊?とも思ったのですが,
トリノ大学はJAISTと違って22時で閉まってしまいます.

幸いにもMatteoが同僚から予備のヘルメットを借りてきてくれて,
彼のバイクで自宅まで送ってもらえましたが,これからはショーペロにご用心です.

<ショーペロ忘備録>
Notizie di Sioperi inItalia (Italia Yahoo)
commissionegaranziasciopero

2010年7月16日金曜日

滞在許可証(郵便局編)

イタリアに住もうとする外国人が一番最初にぶつかる関門,
それは滞在許可証(Permesso di soggiorno)を取ることだと思います.
滞在許可証を取ることに比べればビザなんかはちょろいものです.
まずkitと呼ばれる申請書が入った封筒を郵便局で
もらうことから始まるのですが,私はここからつまづきました.

最初に自宅近くの郵便局へ行ったら,
「ここにはないのよ,中央郵便局にあるわ」と言われ,
テクテク歩いて中央郵便局に行ったら,
「あら,ここもないわ,ポルタノーヴァ駅近くの郵便局に行って」と言われ,
3つの郵便局を渡り歩いて,ようやくkitを手に入れた次第です.

しかもイタリアの郵便局は待ち時間がとても長い!
ここに至るまでに何時間という待ち時間がかかっています.
日本の郵便局に慣れているせいか,どうしてもイライラしてしまうんですよね.





そして苦労して手に入れた申請書がこれ.説明はすべてイタリア語で書かれています.
外国人しか手にしないのになぜにイタリア語...せめて英語ぐらいは付けて欲しいものです.
そんな懇願もむなしく,Matteoに軽く翻訳してもらって,あとは電子辞書との格闘です.

Tabacchiで買ったMarca da bolloという収入印紙を
苦心して書き終えた申請書に貼り付け,再度郵便局へ.
自宅近くの郵便局はこの申請を午前中しかやっていないので,
待たないためには早起きして行かなくてはならないのです.
いつものように入口で番号札をもらい,自分の番が来るのをジーッと待つ.
やっと自分の番が来て,いそいそと書類を出したら,「あーパスポートのコピー足りないわね」
「はぅぅぅー,全ページのコピーときましたか,最初の外務大臣のところはいらないでしょー」
という抗議もできず,トボトボと帰宅.それから何度か自宅近くの郵便局に行きましたが,
今日は滞在許可証の受付はしてないとか,ランダムに仕事をしていらっしゃるので(皮肉),
意を決して中央郵便局まで行って申請してきました.ですが,ここ待ち時間長すぎです.

明らかに外国人らしき人が申請書の封筒を持って並んでる...
2時間くらい待って,ようやく自分の番になったのはいいものの,
何か書類が足りないとイタリア語でまくし立てられる私.
手元にある重要そうな書類を片っ端から出して見せると,ようやく受理してもらえました.
うう,何かこれだけで感動です.ですが,手続きはこれで終わりではなかったのです.
受付のおばさんは,私に一枚の紙を差し出して,次はここに行きなさいと言うのです.

そこには「8月3日午前10時24分に移民局へ出頭せよ」と書かれていました.
え,分単位?これだけ自由な仕事っぷりのイタリアでそんな正確な時間書いていいんですか?
というわけで,来月は指紋を採られに移民局へ10時24分に行ってきます.
この時間指定に意味があるのかどうかは,次回,滞在許可証(移民局編)をお楽しみに.

2010年7月15日木曜日

居室

今日は大学での私の居室を紹介します.
部屋の広さは橋本研の助手部屋と同じくらいでしょうか.
冷房完備で鍵も渡されています.パソコンはありませんが,
新品のスキャナーとコピー機は自由に使えます.



ちなみにこの部屋は他の研究者との共用です.
私の居室は私以外に3名が使用していますが,いずれも女性です.
彼女たちは曜日によって来る日がそれぞれ違うので,
非常勤講師みたいなことをしているのだと思います.
学生も頻繁に彼女たちに質問しに来ていますし.
そういうわけで,学生たちが来ないときには集中して研究できるのですが,
学生が質問に来ると,ちょっと集中力がそがれます.



私がいるフロアには学生の居室はありませんが,
学生たちが先生と話をしたり,スタッフ同士が歓談するスペースはあります.
院生がどこにいるのかいまだにわかりせんが,それらしき人たちが
たまにこのスペースでたむろっています.



居室の入口にも最近私の名札がつきました.
他の研究者の名前の前には博士であることを示すDOTT.が付いていますが,
私だけPhDです.どの部屋を見渡しても全員DOTT.が付いているので
非常に違和感があるのですが,これはどういう違いなのでしょうかね.
イタリアの学位取得の仕組みなど,いろいろ知らないことが多いので
そういう部分もおいおい同僚たちに聞いていきたいと思います.

2010年7月13日火曜日

再会

3月にシチリアのパレルモで開催された国際会議に参加した後,
Matteoに会うためにパレルモからトリノへ飛行機で移動していたときのこと.
同じ飛行機にパレルモの国際会議で見かけた研究者が乗っており,
着陸後に日本語で「こんにちは」と話しかけられました.
会議中はまったく話さなかったのですが,挨拶程度にどちらの大学ですか?と聞くと,
トリノ大学の所属だという.びっくりして何学部ですか?と聞くと経済学部だという.
受入研究者のTerna先生を知っていますか?と聞くと,これまた知り合いだという.
しかもMatteoも知っており,彼とは友人だという.
慌てて名刺交換して電話番号も教えてもらって,彼とは空港でお別れしたのですが,
それから日本に帰国してからも彼とはまったく連絡も取っていませんした.



先日,Matteoが彼を私のオフィスに連れてきてくれ,感動の再会を果たすことができました.
Matteoが彼に私がトリノに滞在していることを連絡してくれたみたいです.
彼の名前はUgo,数学者でトリノ大学の准教授です.年齢は私より10歳くらい上でしょうか.
彼のオフィスにも遊びに行ったりして,どういうわけか私と馬が合うみたいです.
彼は日本人とも共同研究したことがあるみたいで,日本語を少し知っています.
たまに怪しい日本語を繰り出すのですが,それもご愛敬といったところでしょうか.
彼から論文をもらったのですが,難解な数式がいっぱいで私には手に負えませんでした.
ですが,どのようなことを理解しようとして研究しているか,
そういうところは互いに議論して理解し合えたらなと思っています.

彼が私を自宅へ招待してくれたので,近いうちにお呼ばれしてきます.
7月はアメリカとイギリスに行くそうなので,自宅に行くのは8月になりそうです.
ちょっとした偶然から友人ができるなんて,なんか素敵なことだと思いませんか?