2010年10月6日水曜日

スリ!

カゼッレ空港からの帰り道,4番のトラムにて初めてスリに遭いました.
母親の大きなスーツケースが目立っていたので,旅行者だと思ったのでしょう.
肩掛けの小さなバックを前にして,ドア前に立っていると
横からやたらと近づいてくるヒスパニック系の太ったおっさんが.
そんなに混んでもいないのに何か嫌だなと思ってたら,
私のバックをちょこちょこ触ろうとしています.
手元はキャップで上手いこと隠しながら
隙を見て私のカバンを開けようとしているではありませんか.

バックの中には金目のものは何一つ入っていなかったのですが,
体を入れ替えたり,バックを思いっきり前に移動させたりして
がっちりガードしている...つもりでした.
ただ,降車する停留所がすぐだったので,
彼から完全に離れず時間をやり過ごした後に下車すると,
母親から「バック開いてるよ」との一言.

あれだけガードしたつもりだったのに,チャックが1/3ほど開けられていました.
事前に閉めたのを確認していたので,間違いなくさっきのおっさんです.
やられた!と思って中身を確認しましたが,幸いにも盗まれたのはありませんでした.
こちらが相当注意していても,まったく気づかせずにチャックを開ける技術,
敵ながらあっぱれですが,平和なトリノに安心しきっていたので,
最後まで警戒しなければならないと改めて思わされました.

それにしてもロストバゲージにスリ未遂,この日はよっぽどついてない一日でした.

2010年10月5日火曜日

ロストバゲージ

母親と叔父(母親の弟)がトリノに遊びに来るのでカゼッレ空港までお出迎え.
私が最初にトリノに着いた日にも,同じように母親を迎えに来ている日本人留学生が
いたことを思い出し,自分もそんなことになるなんてちょっぴり感慨深げ.

ふたりは別便で,母親のほうが少し早めに着くはずなのですが,
待てど暮らせど母親が到着口から現れない.当該便は既に20分以上も前に着いています.
そうしたら,スーツケースを持っていない母親が現れたのでピンときました.
そうです,ロストバゲージです.ローマ便だったのですが,他にも数名いたようで
手続きに時間を取られたようです.アリタリアめー,いい加減な仕事をしおって!

ルフトハンザで来た叔父の荷物は問題なく到着.ロストバゲージの手続きの際に
いろいろと説明を聞いたようですが,いまいちわからなかったということで,
いつスーツケースが届くか再度交渉することに.

勢いよくインターホンを鳴らしたものの,英語がまったく出てこない.
あ,なにを言えばいいんだろう.困ってるときはとっさのひとことが出ないものです.
翌日の午前便でローマから届くから,自宅まで運ぶとのことでしたが,
この国の口約束をまったく信用していない私は,のっけから不安が頭をよぎりました.
しかしながら,ここで文句を言っても日本のようには対応してくれませんので,
その日はすごすごと撤退することに.ちなみに一言も謝ってはもらえませんでした.

翌朝,いつ届くもわからないスーツケースを待つために自宅に誰かはいないといけません.
しかも次の日からは3人でウィーンに行く予定になっているので,
今日中にスーツケースが届かなければとんでもないことになります.

お昼過ぎ,私の携帯にカゼッレ空港から電話.「スーツケースが届いたが,
中身を検査するのでカギを持って来い,さもなくばカギを壊して開けるぞ」
なにいいぃ?丁重に謝罪して宅配するならともかく,中身を検査するから
カギを持ってこいだと?なぜその必要があるのか?と聞いても決まり事だからの一辺倒.
今日中にスーツケースを受け取りたかった我々は,今日も渋々カゼッレ空港へ向かうのでした.

事務所では同じようにロストした荷物を受け取っているイタリア人とすれ違いに.
別に検査しないで,すんなり受け取っている...でも我々はそこからが大変でした.
まず,有無を言わさず裏口に回れと言われ,その裏口を探すので一苦労.
そこは警察が詰めている場所だったのですが,そこでも待てと言われるばかりで
時間だけが過ぎていく.見かねた警察官が,事務所に連絡するようにしてくれたのですが,
私がずっと待ってると電話越しに伝えると,「Wait, Wait」と言って一方的に切られる始末.

ようやく中に入れてもらえたのは30分くらいたってからでした.で,そこからも一苦労.
本当に荷物検査が始まって,ひとつひとつこれは何だとか,あれは何だとかすべてに質問攻め.
母親が持ってきてくれた明太子パスタのもとを見て,なぜイタリアでこんなものが必要なのか,
イタリアにはもっと美味しいものがあるだろう(まったくの大きなお世話)とか,
真空パックのごはんが理解できなかったり,ホントめんどくさいことこの上なかったです.

ちなみになぜこの荷物が調べられるのかと聞いても,「通常の検査だ」というだけ.
いやいや,さっきのイタリア人はすんなりスーツケースを受け取ってましたがな.
検査するスーツケースをランダムでピックアップしてるのかなとも思いましたが,
ロストしたスーツケースをわざわざ呼び寄せてやることもないでしょう.
何も違法なものは持ち込んでいなかったのですが,最後まで徹底的に調べられました.
イタリアという国の仕事の力加減がよくわかりません.

当然空港までの交通費も出ないわけで,運が悪かったとしか言いようがありません.
畠山さんもイタリアの航空会社は二度と使わんと言っていましたが,
私も二度とアリタリア航空は使いたくありませんね.
といっても私の帰国便は既にアリタリア航空を押さえてしまっているのですが(爆).

2010年9月27日月曜日

エンドレス・トラブル

室内にある間接照明がつかなくなるというトラブルを経て,
今度はバスルームのスイッチが押せなくなるという新たなトラブルが勃発しました.
特にぶつかったとか,強く押したというわけでもないのに,
スイッチが押せなくなってしまい,仕方ないので解体して調べてみることに.
こんなときのためにドライバーを8本も持ってきたのが幸いしました.



しかし,解体しても原因は特定できず.しかも,直そうと思った際に変なところを
いじってしまったのか,廊下の電気もつなかなくしてしまいました orz
おまけに感電もするし...ドライバーなんて持ってくるんじゃなかった(笑).

このままではシャワーもトイレも暗闇の中でしなくてはならない!という最悪の状況かと
思ったのですが,幸運にも洗面台にライトがついていました(しかも明るい!).

この状況に打開すべく,自宅で電気工事中のMatteoにその業者を
紹介してもらえるよう頼んだのですが,そこはイタリア.
今日来るといっても来なかったり,なかなかうまくことが運んでくれません.
まあ,暗闇でないのでそれほど不自由はないのですが,何とかしないと...とは思っています.

イタリアでは主張と忍耐が重要だということは,もうわかりきっているので,
その線で抗していくしかないでしょう.それにしてもこの家,トラブルが絶えない物件です(爆).

2010年9月25日土曜日

こんなお店にご用心

浅沼さん滞在2日目の夜はちょっと嗜好を変えて中華を食べに行こうということになり,
カステッロ広場近くにある「都城酒楼(Du Cheng)」というお店に行きました.



リスボンで中華料理に対する良いイメージができていた私は,
トリノでもさほど外れないだろうという淡い期待を抱いていました.
しかし,その淡さに厳しい現実が突きつけらようとはこのとき思いもよりませんでした.



中国人が経営しているらしく,店内の装飾も割としっかりして良い感じ.
メニューも英語での表記があって,青椒肉絲と日式海鮮麺,麻婆豆腐を頼みました.



そして事件は起こりました.出てきた海鮮麺がインスタントラーメン!!!
しかもカニかまみたいなものが入ってる.この時点で嫌な汗がたらり.
味もどうやら同封の粉末スープをそのまま使っているようで,お湯が少ないからしょっぱい.



青椒肉絲は,ピーマンをざっくり切ったものと牛肉が入っているだけ.「絲」は細切りですよね.
麻婆豆腐は,挽肉もなければ豆腐もスープとまったく絡み合っていません.
青椒肉絲と麻婆豆腐は許せても,もの凄く味の濃いインスタントラーメンはないでしょう.

日本人だと思ってバカにされているのかとも思いましたが,
周りもさして代わり映えのしない料理が出されている模様.
しかもしばらくすると次から次へとイタリア人のお客さんが入ってきて,店内は満席状態.
日本なら数ヶ月と持たないでしょうが,イタリアではこういう味がうけるみたいですね.

「地球の歩き方」やトリノのレストランを紹介してくれているサイトにも載っているので,
個人の好き嫌いもあるかと思いますが,私にはちょっとお勧めできない味でしたね.
それとも最近は,味が落ちてきてるということなのでしょうか?

このお店は,メニューも豊富で価格も割と安いですが,中華料理を名乗っているお店が,
あの味付けのインスタントラーメンを出すのはいかがかなと思います.
まともに飲み食いできたのは青島ビールだけ.浅沼さん,本当にすみませんでした.

ネタ次いでに日本料理屋に行ってみようということになり,
これまた自宅近くの「daiichi」へ(漢字をあてるとおそらく「第一」).
ここはタイ料理と日本料理の二枚看板という不思議なお店ですが,
ウェイトレスに事情を聞いて合点がいきました.料理人がすべてタイ人なのです.
ですが,オーナーはイタリア人のようで,店内でしきりにあれこれ指示を出していました.



このお店も店内はイタリア人のお客さんで満席.入店を待っているお客さんもいました.
トリノでは私が知るだけで4軒日本料理屋がありますが,いずれのお店も結構繁盛しています.
「daiichi」では,海外向けの一番搾りやサッポロ黒ラベルも置いています.



メニューはローマ字表記の日本語.中には「Tatami」とか名前から想像できないメニューも.
Nigiriは結構ネタも新鮮でいけました.特にサーモンはおいしかったです.



浅沼さんが注文した「Battera」.イタリアでバッテラはないだろうと思ったら,
料理を持ってきたオーナーがさりげにイタリアンバッテラと付け加えていました.
モッツレラチーズの上にズッキーニとナスが乗っています.
どうやらバッテラのように押してあるということのようです.
味は日本人には何ともいえない不思議なものでした(笑).

全体的に値段はそこそこお高めで,日本で食べる1.5倍から2倍はしました.
日本の味とは異なる食べ物なので,また食べに来たいとは思いませんでしたが,
現地の日本料理を知る上で一度来てみたのは良かったのかもしれません.



浅沼さんは,翌朝の電車でアンコーナへ帰宅.
チェゼーナの長友選手の試合を見たいねという話になったので,
チェゼーナかトリノで一緒にサッカーを見に行けたら嬉しいですね.

2010年9月24日金曜日

トリノでエジプトに思いを馳せる

9月からアンコーナに派遣されている東北大の浅沼さんが
6時間かけて電車でトリノに2泊3日で遊びにきてくれました.
本来ならユヴェントスの試合でも一緒に見に行けたらよかったのですが,
ちょうど浅沼さんが滞在された前後でホームの試合があって日程が合わず.
なので,今回はトリノ市内の観光がメインとなりました.



到着されたのが19時近くだったので,この日は自宅近くのリストランテへ初トライ.
肉料理の店か魚料理の店かで迷ったのですが,浅沼さんの希望で肉料理のお店へ.
やはりピエモンテ料理といったら肉でしょう.この選択は間違っていなかったようで,
われわれが悩んだもう一件のお店は,後日Matteoから良くなかったと教えられました.





イタリアに住んでいながら,イタリア語に弱いわれわれは(特に私ですが),
わずかな知識と勘を頼りにチーズとサラミの盛り合わせ(中央にあるビンはハチミツ),
肉詰めパスタ,ニンニクとツナソースがかかったピーマンなど,
ピエモンテ料理を注文することに成功.ワインもわりかし重厚な赤を頼んで堪能できました.
値段も手頃で店員も英語を話せたので,このお店はまた利用することにしようっと.





カステッロ広場では,サイエンス・コミュニケーションのイベントが開催されていたようで,
トリノやピエモンテ州の大学の人たちが市民に研究成果をわかりやすく解説していました.
市内のメイン広場で22時を過ぎても大勢の人たちで賑わうサイエンスのイベントって
日本じゃなかなか考えられないですよね.やはり体験型の実験が人気を集めているようでした.
中には交通シミュレーションみたいのもありましたが,あまり人気はなかったようです.

夜は近所のバーでビールを飲みながら研究よもやま話.いろいろ歩けるようになりましたね.

翌日は,浅沼さんの希望でドゥオーモ内部やエジプト博物館を見学しました.
なぜトリノでエジプト?という疑問は当然抱くところですが,
トリノは言わずと知れたエジプト資料の宝庫なのです.



その由来は19世紀にナポレオンのエジプト遠征に従軍した
エジプト学者のベルナルディーノ・ドロヴェッティの収集品を
サルデーニャ王国(イタリア統一した国)が購入したことにさかのぼります.
今回,その貴重なコレクションをちょっとだけお見せいたします.











実はイタリアに来る直前に日本で開催されていた「トリノ・エジプト展」を観に行ったのですが,
やはり本家の展示物のほうが展示法,展示量ともに見応えがありました.
特に彫像はその数の多さとスケールの大きさに圧倒されました.
トリノには楽しめる意外な穴場がまだまだありそうです.

2010年9月23日木曜日

進化経済学 基礎

今夏に校正作業のあった進化経済学の新しい教科書
『進化経済学 基礎』が9月末に日本経済評論社より刊行されました.
この本を作成する過程は,ほんの少ししか見ていませんが,
話に聞くと数年越しの長い長い作業だったようです.

私はこの本の中で第3章1節の
「複製子と相互作用子による制度進化の記述:サーキットブレーカーを例として」
を橋本さんと一緒に担当しています.

進化経済学 基礎 (進化経済学にチャレンジ)進化経済学 基礎 (進化経済学にチャレンジ)
江頭進・澤邊紀生・橋本敬・西部忠・吉田雅明編

日本経済評論社
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株式市場には相場が大きく変動した時に市場での取引を一時的に
中断させる「サーキットブレーカー」という制度があります.
この制度の狙いは,株価の暴落を直接抑えて市場の混乱を未然に回避することにあります.

2008年9月のリーマンショックによる金融市場の混乱をきっかけに世界各国の
証券取引所でこの制度を導入したり,改変したりする事例が相次いで起こりました.
しかしながら,サーキットブレーカー制度の導入をめぐっては,
その実効性について研究者の間から懐疑的な見解も数多く見られます.

本教科書では,実効性に関して経済効率性だけでは説明できないサーキットブレーカーの
制度変遷を複製子・相互作用子という進化経済学の基礎的概念を用いた説明を試みています.
現実の3つの取引所(ニューヨーク,大阪,韓国)における制度変遷を例にしながら
図も交えたわかりやすい形で,導入した概念による説明の有効性を示しています.

進化経済学によって経済社会をどのように捉えることができるのか?
きっといままでないユニークで面白い教科書になっていると思いますので,
興味を持たれた方はぜひご一読ください.よろしくお願いいたします.

2010年9月19日日曜日

マルペンサ空港にて

1週間のリスボン滞在を終えるべく,ひとりバスにてリスボン空港へ.
イタリアの搭乗検査はザルですが,リスボンはわりとしっかりしてました.
ゲートで何かが反応して,綿密なボディチェックと金属探査機にかけられました.

座席は事前チェックインで進行方向左の窓側を予約したおかげで
アルプスの山々がバッチリと見えました.欧州旅行の際には座席の位置,重要です.

夕方にマルペンサ空港に着き,トリノ行きのバスチケットをカウンターにて購入...
しようと思ったら,バスチケットは車内販売だと言われ,バス停で1時間の待ち時間.

その間,インド系の女性に私が座っていたベンチを譲れと強要されるなど,
辛い時間を送っていました.ようやくバスが来て,荷物を詰め込み,バスに乗ろうとすると,
チケットは車内販売ではない,空港のカウンターで買ってこいと言われて青ざめる.

何せ荷物は一番最初に詰め込んでいて,既に多くの荷物の下に埋もれているのです.
あたふたしていると,先ほどのインド系女性もチケットを持っていなかったらしく,
大慌てで空港ターミナルに戻っていくではありませんか.その後をダッシュで着いていくと,
女性はカウンターで列に並んでいる人を無視してトリノ行きのバスチケットをくれと叫んでいます.

ここ,最初にチケットを買おうとしたカウンターじゃないか.やはり私が間違っていなかったらしく,
先ほど対応してくれた女性とは別の女性がすぐにチケットを売ってくれていました.
私も背に腹は代えられないので,失礼ながら列を無視してチケットを無理やり購入.

先ほどのインド系女性の態度には少々イラッとさせられましたが,
彼女にイタリアでのたくましい生き方を教えてもらったような気がします.

そして人によって言うことがまったく異なるという現象に遭遇して,
イタリアに戻ってきたなという変な感慨にも浸れました.

おかげでバスには間に合いましたが,最後の最後で何か起こるのは
もうお約束みたいになってきて,むしろ楽しみにもなってきました.
来月もこのバスに乗る予定があるので,今度は何が起こるか乞うご期待(はぁ).