2010年9月16日木曜日

リスボンを攻める



日本で市電というと平地を走るものというイメージがありますが,
リスボンでは坂が多いためか,市電が急坂を上り下りしています.
しかも車両が古く,日本のものと比べて小さいものだから,
ガタガタと揺れてさながらジェットコースターのようです.



市電の内部はこんな感じ.木のぬくもりがあります.



サンタ・ルジア展望台からの眺め.眼前に広がるのは海ではなく,デージョ川です.



広場では何かの撮影をしていたようで,ちょっとジャマみたいなジェスチャーをされました.



リスボンの高台にそびえるサン・ジョルジェ城.西洋の城を攻めるのじゃー!



狭い階段をひいこらと上り,天守はすぐ目の前だぞー.



リスボン攻め落としたなりー!!葡萄牙も遂に我の手に...以上,寸劇でした.



城内の博物館にて,貨幣の歴史についてお勉強.



サン・ジョルジェ城の入口にあるショップで商品を眺めていたら,
どこかで見覚えのある顔が載ったCDが売られていました.
はっ!カンファレンスディナーで演奏していたファドの人たちだ!しかも3人とも写っているし.
CDを出すくらい有名だったんですね.試しにお店の人に,この歌手は有名ですか?と聞いたら,
すごく有名だと言っていました.どおりで上手すぎるわけだ.
街角のファド歌手ではなく,CDになるくらいのファド歌手の生演奏を聴けて,
われわれはなんてラッキーだったのでしょう!



駐車違反のレッカー移動を待つ市電.この辺の呑気さはイタリアと通ずるものがあります.
何ともならないものは何とかなるまで待つしかない.これ大事.



港近くの市場でランチをすることしていたのですが,市場はすでに営業を終えていました.



それにしてもリスボンは坂が多くて,勾配がキツイ.ちょっと歩くだけで太ももが痛くなってきます.



というわけで,リスボン名物ケーブルカーに乗車.車体はなぜか全面キラキラしています.
空腹のうえ,上り坂に苦しめられてグッタリしている私.



ケーブルカーはすごく短く,あっという間に上まで着いてしまいました.



ケーブルカー駅近くにあったお店でようやくランチ.
炭焼きのサルディーニャ・アサード(イワシの塩焼き)をいただきます.
粗塩がふってあるだけですが,これがめちゃくちゃおいしい!
やはり地元の魚には地元の塩ですよね.ちなみに添えつけのポテトもGOOD!



そして気に入っておかわりまでしてしまったエビのスープ.
ちょっと濃いめですが,濃厚なエビのエキスがぎっしりです.



この日の夕食は近くのイタリアンレストランへ.イタリアンは食べ飽きた感があるものの,
メニューを見るとホッとするのは,だいぶイタリアに染まっている証拠でしょうか.
ここでもエビに手を出し,ニンニクとオリーブオイルのフリットがつまみにもってこいの味でした.

2010年9月15日水曜日

カンファレンスディナー

カンファレンスには必ずどこかでディナーが用意されていて,
そこが参加者同士の交流の場となります.

ECCS'10では,リスボンから西に1時間ほど離れたカスカイスという街の
海沿いのレストランFurnas do Guinchoでディナーが開かれました.



海沿いということで,大西洋に沈む夕日を期待して行ったのですが,
移動のバスの出発が遅れたり,渋滞に巻き込まれたりして,
レストランに着いたのは残念ながら夕日が沈んだ後でした.



まずはウェルカムドリンクからいただき,皆さんと乾杯.



前菜はチーズとハムとゆでエビ.どこで食べてもエビは美味です.



メインは魚料理.何の魚だったか忘れましたが,おいしかったです.



デザートのストロベリーアイスクリーム.

ここまでオーガナイザーの挨拶もなく,もくもくと食べ飲み続けてきたのですが,
デザートを食べ終わった最後に挨拶がありました.そして終了かと思ったのですが,
ナント!ここでファドの生演奏が披露されることに
(最初から公表されていたプログラムに入っていたみたいです).

舞台から離れたところに座っていたのですが,カメラを持ってせせこさと前のほうまで移動.



女性ボーカルと脇を固めるふたりのギタリスト.歌詞の内容はまったくわかりませんでしたが,
情熱的に歌い上げる女性の魂の叫びが伝わってきます.



そして向かって左側のポルトガルギターを弾いている人のテクニックが超絶技巧.
風体に似つかわしくなく(失礼),繊細なギターテクニックを魅せてくれました.
3曲くらいで終わるのかと思ったら,アンコールまで含めて7,8曲は演奏してくれたでしょうか.

料理だけなら少し寂しいものがありましたが,
このファドの生演奏ですばらしいカンファレンスディナーとなりました.
日本のカンファレンスもこれくらいのカルチュアルイベントを企画しないといけませんね.



すっかり日の沈んだ岩礁にて月の明かりに照らされる男がひとり.
酔いとファドの興奮を海の風で冷ましながら,初めて見る大西洋に別れを告げました.

2010年9月14日火曜日

UEFAチャンピオンズリーグ

ホテルで朝食を食べていると,サッカーのユニフォームを着た人たちがわんさか現れました.
何か試合でもあるのではないかと勘づいた長滝さんがフロントに尋ねると,
今日の夜リスボンでヨーロッパチャンピオンズリーグの開幕戦があるとのこと.
本来はこの日にファド(ポルトガルの民族歌謡)を観に行く予定だったのですが,
またとない機会の到来に,ファドを翻してサッカー観戦しに行くことになりました.

試合は地元の強豪SLベンフィカとイスラエルのハポエル・テルアビブとの一戦.
正直言って両方とも知らないチームだったのですが,
ツイッターでこのことをつぶやくとサッカー好きの後輩から
「ベンフィカを知らないなんて,あなたって人は...」と返信されたので,
有名な強豪チームだとわかりました(恥).



きちんと会議に出席した後,地下鉄でスタジアムのあるCOLEGIO MILITER-LUZ駅へ.
まずはチケットを抑えようということで,スタジアムに向かうことにしたのですが,
駅構内でチケットを売っている場所を偶然にも発見!
ポルトガル語がイタリア語と似ており,BILHETES(チケット)という単語でピンときました.

蝶ネクタイをした大柄の黒人が対応してくれて,最初はオッと思いましたが,
この方はとても親切に座席について教えてくれました.
多少の意思疎通の問題はありましたが,ピッチに近い席を35ユーロで購入.
これを日本の代理店に通して買うと,きっと1万円はくだらないのでしょうね.



スタジアム近くには大きなショッピングセンターがあったので,
試合開始までショッピングと食事をすることに.



ポルトガルの名物,干しダラ.お店ではこれを電気ノコギリで切って売っていました.



初めて見る魚. 見た目がちょっとグロテスクです.



試合前の腹ごなしに食べたホットドッグ?炭焼きのソーセージが絶品.
このお店の味に感動して,その後何度か足を運ぶことになります.



スタジアムの周りには赤のユニフォームとマフラーを身につけた
ベンフィカサポーターでいっぱい.中には大声で唄っている人たちまでいます.



ライフルを持った機動隊の姿も.相手サポーターは機動隊に守られながら入場していました.
サポーター同士の乱闘を防ぐための措置なのでしょうが,
見たことのない物々しい警備になぜか緊張してしまいます.



チケットのバーコード部分をチェックバーに通し,通路を抜けると,



美しいピッチが!

座席は最前列から3番目でしたが,前に誰もいなかったので最前列にいるような感じでした.
観客のほとんどは中段に陣取っていたので,サッカー通はそこから観戦するものなのでしょう.



試合開始前から異様な空気でしたが,選手が入場してくると会場のボルテージは最高潮に.
地鳴りみたいな歓声は,日本のスタジアムでは体験したことのないものでした
(今までJ2のコンサドーレの試合しか観たことはありませんが).



いつもはテレビでしかサッカーを観ないので,最前列で観る感覚に慣れませんでしたが,
選手たちが目の前まで近づいてくるその迫力に圧倒され,
そして少数であるはずのハポエルのサポーターの声援にも圧倒されました.

ですが,ベンフィカが前半に得点を挙げると,スタジアムが一斉に興奮のるつぼに.
熱狂的なサポーターがいるゾーンでは,発煙筒がたかれたりして,
機動隊が抑えにかかっていました.ホントにスタジアムでそういうことしちゃうのね.

試合は,後半にもう一点入れたベンフィカが2-0で勝利.
ベンフィカが終始押し気味でしたが,ハポエルも惜しいシーンがあったりして,
私としては大満足の一戦でした.帰りにベンフィカのマフラーを買いかけるくらいの,
にわかベンフィカファンになっちゃいました(笑).

ひとりも選手の名前を知らないで観ていましたが,後で調べたら
アイマールやサビオラなど私でも聞いたことのある名前がチラホラ.
こんな何も知らない人間がチャンピオンズリーグを見に来てスミマセン.
これを期に,トリノでもユヴェントスの試合を観に行こうと心に誓った夜なのでした.

余談ですが,ベンフィカサポーターが夏目漱石にそっくりな人の大きな旗を振っていました.
ベンフィカの往年の選手なのか,ただの夏目漱石なのか...結局謎は解けませんでしたが.

2010年9月13日月曜日

ECCS'10

われわれが参加した会議はEuropean Conference on Complex Systemsといい,
ヨーロッパの複雑系研究の中心的会議です.5日間の日程で行われました.



私は今回初めてこの会議に参加しましたが,発表の多くがネットワーク関係の研究で,
わずかにあった経済関連もほとんどが実証系のネットワークに関するものでした.
逆に人工生命はまったく見かけず,純粋なカオス研究もあまり見かけませんでした.



会場のLisbon University Institute.強い日差しの下,白い建物が映えます.



二日目は金沢大の柴田先生と中京大の長滝先生,
そして金野さんを含めたグループのポスター発表があり,
最終日には辻野くんのポスター発表がありました.

Didier Sornetteのプレナリートーク"Parallels Between Earthquake Prediction,
Financial Crash Prediction and Epileptic Seizures Predicions".
大地震,金融市場における大暴落,てんかん発作に共通の特徴についてのお話し.
これらのほとんどは過去の現象によって引き起こされるものであり,
もはや金融市場の大暴落であっても予測は可能であると言い切ります.

トリノで論文を書いていたときに,uncertainty(不確実性)とは,
どのように定義されるものかをずっと考えてきました.
古典的にはKnightの定義に基づき確率的に起こる事象ではないとしています.
ミクロ主体の売買行動はuncertaintyによって起こるものであるが,
それらの帰結である大暴落は予測可能ということでしょうか.

Sornette教授は,もはやBig crashは「ブラックスワン」ではないとまで言っていました.
実際に金融市場の予測を発表しており,いくつかは的中もしているようです.
この考えが将来的に広く浸透していくならば,
大規模変動に対する制度設計の方策も大きく変わってくるでしょうね.

あと気になった報告をひとつ.Michael J. Bommarito II and Daniel Martin Katzの
"A Mathematical Approach to the Study of the United States Code"
合衆国法典の階層構造と相互依存関係を数学的に定式化したという報告.

年を追うごとに合衆国法典の階層構造と言語が拡大しているが,
条文ごとの相互関係は明確な依存関係になっているとのこと.
複雑化する法典の論理性を保つために言語表現や参照関係を強化しているのでしょう.
こうした分析手法は市場制度の複雑性を評価するのにも使えると思います.
市場の制度進化を考察する際にも取り入れたら面白い指標かもしれません.



会議初日はホテルで教えてもらったSanta Mariaというレストランにて夕食.
アンコウや魚介類が入ったスープをライスにかけていただきます.



こちらはタラを煮込んだスープに最初からライスが入ったもの.
どちらも私が嫌いなコリアンダーが入っていて避けて食べるのが大変でした(汗).

研究日誌と言いながら,研究の話が全然ないという指摘を受けていたので,
これからはちょいちょい研究のことも書いていきたいと思います(笑).

2010年9月12日日曜日

リスボンに至る

ポルタスーザ駅から早朝7時のバスに乗ってミラノマルペンサ空港へ.
座席はほぼ満席.トリノからマルペンサ空港までは約2時間の移動です.
車内であろうがお構いなしに音楽を鳴らしている人がいて
寝ることはおろか,黙って座っているのも辛い状況.
周りの淑女たちも文句ひとつ言わないので,私もじっと堪えていました.

ミラノからリスボンまでは約3時間.機内食が出るとは知らず,
マルペンサ空港で朝マックをしてしまいましたが,
機内食のパスタもすべておいしくいただきました.

リスボン空港のすべての時計が1時間遅れていたので,
空港なのに時間を間違えててヒドイなと思ったら
イタリアとポルトガルには1時間の時差があったんですね.
ポルトガルは西ヨーロッパ標準時を採用しているみたいです.

ホテルの部屋はひとりなのにダブルベッドでかなりの広さ.
間違ってふたりで予約してしまったかと思うくらいでしたが,
請求金額はまったく間違っていませんでした.
ですが,水は小さなペットボトルで2.5ユーロと少々ぼったくり.

この日はスーパーに行って水や足りない生活用品を買い,
ついでに最寄りのMarques de Pombal駅で地下鉄のプリペイドカードを買いました.



リスボンの地下鉄は,この緑のカードに金額をチャージすることで乗ることができます.
カードは0.5ユーロで購入でき,5ユーロ以上チャージしたら若干のボーナスがつきます.
このカードは市内バス,市電,ケーブルカーにも使えたのでとても便利でした.



ちなみにここの駅名はポルトガルの政治家であるポンバル侯爵にちなんだもの.
地上にはライオンを引き連れたポンバル侯爵の銅像が建てられています.

買い物の後は,投稿予定の論文に関して橋本さんと議論.
投稿直前でしたが,論理の甘い箇所や図表に穴が見つかって夜まで修正していました.
そんなこんなで遅くなったのもあり,今夜はホテルすぐ横の中華レストランへ行くことに.





イタリアンばかりを食べていた私にとって,ひさびさのアジア系料理ということで,
チャーハンや麻婆豆腐,野菜炒めやエビ炒めが輝いてみえました.
特にリゾットではないお米を食べるのがひさしぶりだったので,モリモリ食べてしまいました.
お客さんがあまり入っていない店でしたが,とてもおいしく感じました.

1組だけいた中国系の若者たちは,食べ終わるとぞろぞろと個室に入ってカラオケを始めました.
お世辞にも上手とはいえない歌声でしたが,カラオケもできるリスボンの中華レストラン.
一風変わったリスボンの夜を送りたい方にお勧めのお店です(笑).

2010年9月11日土曜日

論文修正作業

お昼から橋本さんと英語論文の修正作業.タイミングが良いのか悪いのか
この日までに3本の論文修正が入っていたので,議論しながら進められました.
日本とイタリアでメールのやり取りはできますが,
細かい部分はやはり会って話さないとダメですね.
それでも翌週月曜〆切の校正作業は何とか目処が立ちましたが,
あと2本はリスボンへ持ち越しに.議論できる分,時間が経つのも早いです.



途中で気分転換に近くの市場を散策.今回はいままで行ったことのなかった
ゾーンまで足を伸ばしたのですが,やはり魚介系はどこにも売っていませんでした.
やはりトリノはウサギやイノシシなどの獣肉がメインのようです.
その後,橋本さんが好きそうなトリノのディープな下町を歩き,
GROMのジェラートを体験してもらいましたが,おいしかったでしょうか?



夜は前に訪れたPorta di Poを英語で予約し,その前にモーレ・アントネッリアーナへ.
昼間は2度上った展望台ですが,夜上るのは初めてのこと.
トリノの夜景は,派手さはないですが,品のある穏やかなものでした.
昼よりは混雑していなかったので,トリノの別の顔がみたい人にはお勧めのスポットです.
(写真に小さく月と金星が写っています.クリックして拡大したらクッキリと見えます)



Porta di Poには今日も日本人スタッフがいて,
橋本さんはせっかくだからとメニューをすべて教えてもらっていました.
おかげで私もすっかり勉強になりました.


本日のワイン.ピエモンテの赤です.


橋本さんがオーダーしたメイン.鶏肉を徹底的にたたいてつぶしたものらしいです.


私がオーターしたメイン.オーソドックスなローストビーフ.

料理もおいしく,ビールとワインが進んでレストランを後にしたのが0時過ぎ.
リスボンに行くために明日の7時にはトリノを発たないとならないのに,大丈夫なのでしょうか?
次回からは複雑系会議であるECCS'10参加のために滞在したリスボン編をお送りします.