2010年7月26日月曜日

ロックアウト

トリノ大学は24時間365日出入りできるJAISTとは異なり,
平日は9時から22時までで,日曜日は完全に閉鎖されています.
土曜日も開いているのですが,土曜日にはあまり人がいないと聞いていたので,
これまで土曜日に大学に行ったことが一度もありませんでした.
ですが,この度初めて土曜日に大学に行って事件が起こりました.

話に聞いていた通り,学内は閑散としていて学生の姿はなし.
教員の部屋もいつもよりは静かで,同室の女性も今日はいません.
これはいつになく良い環境だと思って仕事をしていた矢先,
突然イタリア語の館内放送が流れ始めました.
こんなことは初めてでビックリしましたが,
誰かを呼び出しているのだろうと思って無視していました.
3度ほどその放送が流れてからしばらく経ち,印刷物を取りに行こうと自室から出ると,
あろうことか外の部屋が真っ暗.驚いて廊下に出ると人が誰ひとりいません.

まさかさっきの放送は閉校のお知らせ?でもまだ時刻は15時です.
慌てて帰宅準備をして裏門の方から出ようとしたら,
入口のシャッターが閉まっていて出られない.
やっぱり閉校時間だったのか.正門の方へ廻るとドアの鍵が開いていたので
建物からは出られてひと安心...と思ったら,目の前の門が閉まってる!!
元来た道を引き返して建物の中に入ろうとしたら,今度は建物の鍵が閉まってる.





今日のトリノは30℃越え.さて,この炎天下の中どのようにして助けを呼ぼうか.
警備の人も帰ったらしく,呼び出しのブザーも見当たらない.
門くらい飛び越えてやろうと思ったのですが,
一番上の部分に鋭い槍みたいなものが付いているので
万が一踏み外したら刺さって大けがをする可能性があります.
あっ!そうだ,Matteoに電話しよう...二度鳴らしても応答無し.
なぜか門の中にいるのに出られないという逆締め出し状態.

こうなったらと山で鍛えた勘を頼りに出られるところがないか探すしかありません.
ですが,怖ろしいまでにどこも高い門が張り巡らされていて,出られる箇所がない.
干上がりそうになっていたとき,大学で工事している箇所を思い出し,
そこの方へ回り込むと,工事車両が出入りする小さな入口を見つけました.
た,た,たすかったー!!
工事してなかったら月曜日まで出られなかったかもしれません.

帰宅後にMatteoから連絡があり,ことの顛末を話すと,
夏休み期間で閉校時間が変更されているのもしれないとこと.
チェックしてなかったと謝られましたが,私も放送を無視してしまったので...
JAISTに慣れてしまったせいか,電車通学や下校時間など,
普通の大学で普通のことに戸惑いを感じてしまう今日この頃です.