2010年10月8日金曜日

シェーンブルン宮殿

この日のメインはハプスブルク家の夏の離宮であるシェーンブルン宮殿.
これぞ宮殿という感じで,外観はバロック様式,内部はロココ様式になっています.
内部がロココ様式になっているのは,女帝マリア・テレジアの影響だとか.
こちらも1400室のうち,公開されているのは40室のみ.そんなに部屋があってどうするの?



こちらの宮殿内も撮影禁止でしたが,もう内部の様子は言うまでもないでしょう.
金の漆喰や,豪奢な彫刻,そして優雅なロココ様式.これでもか!って感じです(謎).




建物の中もいいのですが,見応えがあるのがきれいに整えられた庭園.



宮殿裏庭からのグロリエッテは.物語の世界にしかないと思っていた景色
が眼前に広がっている様は夢ではないかと見まごうばかり.



丘から宮殿を望む.後ろに見えるのはウィーン郊外の町並み.



迷路庭園もありました.簡単に抜けられるかと思ったら,意外と手こずらされました.


ひとりで裏庭を歩いていると,オーストリア人女性2名から日本語で話しかけられました.
聞けばウィーン大学で日本語を専攻している大学生らしく,
課題か何かで日本人にアンケートをとっているとか.
手慣れてなく,必死そうだったので怪しい勧誘ではないと察知し,
私も研究でアンケートをお願いしたりしているので,快く受けることにしました.

アンケートはウィーンに来たことがありますか?とかシュニッツェルを食べましたか?
とかたわいものないものばかりで簡単に終了し,最後に写真を撮られてお別れしました
(きっと課題をこなした証拠の写真なんでしょう).

その後,母親と合流して今晩の演奏の会場を地図で調べるも,いまいち場所がわからない.
さきほどのウィーン大学の学生に聞いてみようということになり,
もうひとり回答者を連れてきたことをダシにして場所を聞くも
彼女たちはウィーンっ子じゃないからわからないという.

母親は撮られた写真を送って欲しいとメールアドレスを教えたり,
勉強のために手紙を書いてみたらと住所を聞いたりして国際交流をしていました.
ちなみに私は一切何も聞いていませんからね(強調!)

というわけで,今晩はここシェーンブルン宮殿で行われているクラシックの
演奏会とディナーがセットになったものを事前にウェブで予約していました.

セットといっても音楽を聴きながらディナーを食べるわけではなく,
宮殿にあるレストランでディナーを食べた後に,別室で音楽を楽しむというものです.



コンソメスープ,上品な薄味.とても美味しかった.



メインの牛肉.味は...まあまあといったところでしょうか.



デザートのイチゴのムース.上に乗っているモーツァルトのチョコがかわいらしい.



ライトアップされたシェーンブルン宮殿.夜は開放されていないので,
ここでディナーを食べた人だけが味わえる特権なのかな?



演奏会はシェーンブルン宮殿で毎日開かれている観光客向けのもので,
さほど期待もしていなかったのですが,演奏の技術はしっかりしていました.
演目は前半がモーツァルト中心で,後半がヨハン・シュトラウス2世中心.
約2時間ほどの演奏なので,いいとこ取りになってしまいますが,
長時間クラシックに耐えたことがない私にとっては丁度よかったかもしれません.
時折音楽に合わせてバレエや歌が入るのですが,これはちょっと余計だったかな.
でも,どちらもかなりの腕前であったことは間違いありません.



最後はウィーンフィルのニューイヤーコンサートと同じく
拍手をしながらのラデツキー行進曲.ウィーンフィルの雰囲気を少しだけ味わうことができました.

シュテファン大聖堂+美術史博物館

朝食にスパークリングワインが出されていたので,思わず飲んでしまい,ほろ酔いスタート.



まずはウィーンのシンボルであるシュテファン大聖堂から.
残念ながら正面は工事中で垂れ幕が下がっていましたが,横からの屋根の模様は見応えあり.




内部はゴシックだけではなくバロックの様式もあってなかなかのもの.



この説教壇は石造りとは思えないほどの精巧さ.

大聖堂には北と南に2つの塔があり,北塔はエレベータ付き,南塔は300段超の階段ということで
私はもちろん南塔を選択.最初からわかってはいましたが,
階段は例によって狭くてひたすらグルグル回るタイプ.
最後のほうは息切れして太ももが痛くなってしまいました.137mはだてじゃないです.



展望台からの眺め.手前に見えるのが聖ペーター教会.ウィーンで2番目に古い教会です.

さて,下りようかと思った矢先,事件が起こりました.お腹の辺りが何だか冷たい...
ん?濡れてる.よくよく見るとバックのところから水がしみ出している.
マズイ,さっき飲んだペットボトルのキャップをきっちりと閉めてなかった.
時すでに遅し,バックの中は軽く水がたまっていて入れていたものがベチャベチャ.

あー電子辞書が!はい,液晶の中に水が入ってしまったようで,使い物にならなくなりました.
ただでさえ縁の薄い関係だったのに,これで私と伊語の接点は完全に絶たれてしまいました.
3万円もしたのに半年も経たず,あろうことか教会でお亡くなりに...合掌.



軽くブルーになりながら,再び王宮方面に向かい,美術史博物館を見学.
ここは,ハプスブルク家が収集した美術工芸品を展示した美術館です.
写真撮影は許可されているので,いくつかの名品をご紹介.



ブリューゲル「雪中の狩人」.世界最大規模のブリューゲルコレクションが所蔵されています.



フェルメール「絵画芸術」.モデルを前に筆を執る画家を描くという珍しい構図になっています.



少しわかりにくいですが,吹き抜けの壁に描かれたクリムトの作品.
他にもルーベンスやラファエロの作品が所狭しと並べられていました.



館内には絵画を模写する人の姿もチラホラ.
写真撮影もそうですが,欧州の美術館は日本に比べて自由な空気が流れています.
それだけ美術館が日常生活の中に溶け込んでいるのでしょうかね.



世界第5位を誇るコインキャビネットもありました.ある意味すべて地域通貨.
貨幣の系統樹を表したパネルもありましたが,それは撮るのを忘れてしまいました.
モッタイナイ!