2010年10月5日火曜日

ロストバゲージ

母親と叔父(母親の弟)がトリノに遊びに来るのでカゼッレ空港までお出迎え.
私が最初にトリノに着いた日にも,同じように母親を迎えに来ている日本人留学生が
いたことを思い出し,自分もそんなことになるなんてちょっぴり感慨深げ.

ふたりは別便で,母親のほうが少し早めに着くはずなのですが,
待てど暮らせど母親が到着口から現れない.当該便は既に20分以上も前に着いています.
そうしたら,スーツケースを持っていない母親が現れたのでピンときました.
そうです,ロストバゲージです.ローマ便だったのですが,他にも数名いたようで
手続きに時間を取られたようです.アリタリアめー,いい加減な仕事をしおって!

ルフトハンザで来た叔父の荷物は問題なく到着.ロストバゲージの手続きの際に
いろいろと説明を聞いたようですが,いまいちわからなかったということで,
いつスーツケースが届くか再度交渉することに.

勢いよくインターホンを鳴らしたものの,英語がまったく出てこない.
あ,なにを言えばいいんだろう.困ってるときはとっさのひとことが出ないものです.
翌日の午前便でローマから届くから,自宅まで運ぶとのことでしたが,
この国の口約束をまったく信用していない私は,のっけから不安が頭をよぎりました.
しかしながら,ここで文句を言っても日本のようには対応してくれませんので,
その日はすごすごと撤退することに.ちなみに一言も謝ってはもらえませんでした.

翌朝,いつ届くもわからないスーツケースを待つために自宅に誰かはいないといけません.
しかも次の日からは3人でウィーンに行く予定になっているので,
今日中にスーツケースが届かなければとんでもないことになります.

お昼過ぎ,私の携帯にカゼッレ空港から電話.「スーツケースが届いたが,
中身を検査するのでカギを持って来い,さもなくばカギを壊して開けるぞ」
なにいいぃ?丁重に謝罪して宅配するならともかく,中身を検査するから
カギを持ってこいだと?なぜその必要があるのか?と聞いても決まり事だからの一辺倒.
今日中にスーツケースを受け取りたかった我々は,今日も渋々カゼッレ空港へ向かうのでした.

事務所では同じようにロストした荷物を受け取っているイタリア人とすれ違いに.
別に検査しないで,すんなり受け取っている...でも我々はそこからが大変でした.
まず,有無を言わさず裏口に回れと言われ,その裏口を探すので一苦労.
そこは警察が詰めている場所だったのですが,そこでも待てと言われるばかりで
時間だけが過ぎていく.見かねた警察官が,事務所に連絡するようにしてくれたのですが,
私がずっと待ってると電話越しに伝えると,「Wait, Wait」と言って一方的に切られる始末.

ようやく中に入れてもらえたのは30分くらいたってからでした.で,そこからも一苦労.
本当に荷物検査が始まって,ひとつひとつこれは何だとか,あれは何だとかすべてに質問攻め.
母親が持ってきてくれた明太子パスタのもとを見て,なぜイタリアでこんなものが必要なのか,
イタリアにはもっと美味しいものがあるだろう(まったくの大きなお世話)とか,
真空パックのごはんが理解できなかったり,ホントめんどくさいことこの上なかったです.

ちなみになぜこの荷物が調べられるのかと聞いても,「通常の検査だ」というだけ.
いやいや,さっきのイタリア人はすんなりスーツケースを受け取ってましたがな.
検査するスーツケースをランダムでピックアップしてるのかなとも思いましたが,
ロストしたスーツケースをわざわざ呼び寄せてやることもないでしょう.
何も違法なものは持ち込んでいなかったのですが,最後まで徹底的に調べられました.
イタリアという国の仕事の力加減がよくわかりません.

当然空港までの交通費も出ないわけで,運が悪かったとしか言いようがありません.
畠山さんもイタリアの航空会社は二度と使わんと言っていましたが,
私も二度とアリタリア航空は使いたくありませんね.
といっても私の帰国便は既にアリタリア航空を押さえてしまっているのですが(爆).