2010年10月6日水曜日

王宮に潜入

ロストバゲージのせいで大幅に時間を取られた私たちでしたが,
その日は,どうにかトリノの街をめぐることもできました.



今回,私も初めて訪れたのが王宮の内部.外観はいつも見ているのですが,
建物の中に入ったことはこれまで一度もありませんでした.
王宮は1865年までサヴォイア家の宮殿として使用され,
サヴォイア王家の王宮群は,1997年に世界遺産にも登録されています.



2階に歴史的な説明や貴重な品々が展示されていて,
3階からがヴィットーリオ・エマヌエーレ2世ら王族が生活していた空間になっています.
王宮内部は撮影禁止,しかも3階からは決められた時間に職員が解説しながら
移動するというツアーみたいになっており,最後尾には警備員も付いていました.
(写真は入口の部分で,ここなら写真は撮っていいと男性職員が言っていました)

残念ながら解説はすべてイタリア語だったので,どのような説明がなされていたのかは
まったくわかりませんでした.ただ部屋の様子や説明の単語から,王様の寝室,執務室,
子ども部屋などそれぞれの部屋がどういうものだったのかはだいたい把握できました.

確かに広い部屋や美しい内装だったのですが,生活自体は思っていたよりも質素
だったのだなという印象を持ちました.ヴェルサイユ宮殿のような派手さはありませんが,
トリノに来たらこのツアーに参加する価値は十分にあると思いました.



王宮から南に位置するサン・カルロ広場.別名「トリノの客間」と呼ばれています.
像を挟んで両脇にあるのが向かって左が「サンタ・クリスティーナ教会」で
右が「サン・カルロ教会」.右のほうが歴史が古く,左は後から建てられたものです.
シンメトリーにするのが好きだから後から付け足したなんてMatteoは言ってましたが
確かに形だけは双子のような教会です.ただ,よくよく見ると装飾に違いがあります.



国会議事堂として使われていたカリニャーノ宮殿.今は国立博物館として使われていますが,
現在は改装工事中です.中は通り抜けられましたが,勝手に入って良かったのでしょうか?



母親は生パスタやデザインの良いイタリア製の台所用品などを買っていました.
私もユニークなザルを買ってみました.使わないときは平べったいのですが,



使うときに中央を押すと,凹んでザルになるというすぐれものです.

夜はいつものPorta di Poでお食事に...行く途中に道ばたでMatteoとLauraに遭遇.
彼らに母親を紹介するという何とも気恥ずかしい場面に出くわしましたが,
彼らも母親が来訪するのを知っていたので,ちゃんと紹介できて良かったです.

さすがに外はもう寒いので,リストランテは室内だけの営業になっていました.
メニューも夏メニューから冬メニューに様変わりしていて,初めて見るものもありました.
残念ながら日本人スタッフはもういらっしゃらなかったですが,
オーナー(?)自ら英語でメニューを解説してくれました.
母親も叔父も満足してくれたようで,何よりでした.

スリ!

カゼッレ空港からの帰り道,4番のトラムにて初めてスリに遭いました.
母親の大きなスーツケースが目立っていたので,旅行者だと思ったのでしょう.
肩掛けの小さなバックを前にして,ドア前に立っていると
横からやたらと近づいてくるヒスパニック系の太ったおっさんが.
そんなに混んでもいないのに何か嫌だなと思ってたら,
私のバックをちょこちょこ触ろうとしています.
手元はキャップで上手いこと隠しながら
隙を見て私のカバンを開けようとしているではありませんか.

バックの中には金目のものは何一つ入っていなかったのですが,
体を入れ替えたり,バックを思いっきり前に移動させたりして
がっちりガードしている...つもりでした.
ただ,降車する停留所がすぐだったので,
彼から完全に離れず時間をやり過ごした後に下車すると,
母親から「バック開いてるよ」との一言.

あれだけガードしたつもりだったのに,チャックが1/3ほど開けられていました.
事前に閉めたのを確認していたので,間違いなくさっきのおっさんです.
やられた!と思って中身を確認しましたが,幸いにも盗まれたのはありませんでした.
こちらが相当注意していても,まったく気づかせずにチャックを開ける技術,
敵ながらあっぱれですが,平和なトリノに安心しきっていたので,
最後まで警戒しなければならないと改めて思わされました.

それにしてもロストバゲージにスリ未遂,この日はよっぽどついてない一日でした.