ホテルで朝食を食べていると,サッカーのユニフォームを着た人たちがわんさか現れました.
何か試合でもあるのではないかと勘づいた長滝さんがフロントに尋ねると,
今日の夜リスボンでヨーロッパチャンピオンズリーグの開幕戦があるとのこと.
本来はこの日にファド(ポルトガルの民族歌謡)を観に行く予定だったのですが,
またとない機会の到来に,ファドを翻してサッカー観戦しに行くことになりました.
試合は地元の強豪SLベンフィカとイスラエルのハポエル・テルアビブとの一戦.
正直言って両方とも知らないチームだったのですが,
ツイッターでこのことをつぶやくとサッカー好きの後輩から
「ベンフィカを知らないなんて,あなたって人は...」と返信されたので,
有名な強豪チームだとわかりました(恥).
きちんと会議に出席した後,地下鉄でスタジアムのあるCOLEGIO MILITER-LUZ駅へ.
まずはチケットを抑えようということで,スタジアムに向かうことにしたのですが,
駅構内でチケットを売っている場所を偶然にも発見!
ポルトガル語がイタリア語と似ており,BILHETES(チケット)という単語でピンときました.
蝶ネクタイをした大柄の黒人が対応してくれて,最初はオッと思いましたが,
この方はとても親切に座席について教えてくれました.
多少の意思疎通の問題はありましたが,ピッチに近い席を35ユーロで購入.
これを日本の代理店に通して買うと,きっと1万円はくだらないのでしょうね.
スタジアム近くには大きなショッピングセンターがあったので,
試合開始までショッピングと食事をすることに.
ポルトガルの名物,干しダラ.お店ではこれを電気ノコギリで切って売っていました.
初めて見る魚. 見た目がちょっとグロテスクです.
試合前の腹ごなしに食べたホットドッグ?炭焼きのソーセージが絶品.
このお店の味に感動して,その後何度か足を運ぶことになります.
スタジアムの周りには赤のユニフォームとマフラーを身につけた
ベンフィカサポーターでいっぱい.中には大声で唄っている人たちまでいます.
ライフルを持った機動隊の姿も.相手サポーターは機動隊に守られながら入場していました.
サポーター同士の乱闘を防ぐための措置なのでしょうが,
見たことのない物々しい警備になぜか緊張してしまいます.
チケットのバーコード部分をチェックバーに通し,通路を抜けると,
美しいピッチが!
座席は最前列から3番目でしたが,前に誰もいなかったので最前列にいるような感じでした.
観客のほとんどは中段に陣取っていたので,サッカー通はそこから観戦するものなのでしょう.
試合開始前から異様な空気でしたが,選手が入場してくると会場のボルテージは最高潮に.
地鳴りみたいな歓声は,日本のスタジアムでは体験したことのないものでした
(今までJ2のコンサドーレの試合しか観たことはありませんが).
いつもはテレビでしかサッカーを観ないので,最前列で観る感覚に慣れませんでしたが,
選手たちが目の前まで近づいてくるその迫力に圧倒され,
そして少数であるはずのハポエルのサポーターの声援にも圧倒されました.
ですが,ベンフィカが前半に得点を挙げると,スタジアムが一斉に興奮のるつぼに.
熱狂的なサポーターがいるゾーンでは,発煙筒がたかれたりして,
機動隊が抑えにかかっていました.ホントにスタジアムでそういうことしちゃうのね.
試合は,後半にもう一点入れたベンフィカが2-0で勝利.
ベンフィカが終始押し気味でしたが,ハポエルも惜しいシーンがあったりして,
私としては大満足の一戦でした.帰りにベンフィカのマフラーを買いかけるくらいの,
にわかベンフィカファンになっちゃいました(笑).
ひとりも選手の名前を知らないで観ていましたが,後で調べたら
アイマールやサビオラなど私でも聞いたことのある名前がチラホラ.
こんな何も知らない人間がチャンピオンズリーグを見に来てスミマセン.
これを期に,トリノでもユヴェントスの試合を観に行こうと心に誓った夜なのでした.
余談ですが,ベンフィカサポーターが夏目漱石にそっくりな人の大きな旗を振っていました.
ベンフィカの往年の選手なのか,ただの夏目漱石なのか...結局謎は解けませんでしたが.